具体的な例で原価、売価、値入率を計算します。練習問題も掲載しました。

リファレンスとしての式も掲載しています。

※公式(数式)の表示に時間がかかりますので、式部分の表示には少々お待ちください。

値入額を求めるには仕入売価と仕入原価の差を計算する

値入額=売価-原価

原価のことを仕入原価、売価のことを仕入売価ともいいます。

また、値入額の事を、粗利高という場合もあります。

原価と売価から値入額を求める例

原価が1000円の商品を1500円で売った場合の値入額を計算します。

値入額
=売価-原価
=1500円-1000円
=500円

500円が値入額(粗利高)となります。

原価と値入額から売価を求める例

原価が1000円の商品を値入額500円で売った場合の仕入売価を計算します。

売価
=原価+値入額
=1000円+500円
=1500円

1500円が売価(仕入売価)となります。

値入額と売価から原価を求める例

値入額500円の商品を1500円で売った場合の仕入原価を計算します。

原価
=売価-値入額
=1500円-500円
=1000円

1000円が原価(仕入原価)となります。

値入率の求め方

\(\displaystyle 売価値入率=\frac{値入額}{売価}×100\)
\(\displaystyle =\frac{売価-原価}{売価}×100\)
\(\displaystyle =\left(1-\frac{原価}{売価}\right)×100\)

\(\displaystyle 原価値入率=\frac{値入額}{原価}×100\)
\(\displaystyle =\frac{売価-原価}{原価}×100\)
\(\displaystyle =\left(\frac{売価}{原価}-1\right)×100\)

値入率の計算方法は、2種類ありますが、一般的に値入率という場合、売価値入率の事をさしている場合がが多いです。

 売価と原価から値入率を求める例

原価1500円の商品を1500円で売った場合の値入率を計算します。

売価値入率
=(売価-原価)/売価
=(1500-1000)/1500
=500/1500
≒33%

原価値入率
=(売価-原価)/原価
=(1500-1000)/1000
=500/1000
=50%

売上値入率は約33%、原価値入率は50%となります。

なお、直感的には、値入額を求めて計算するより、

\(\frac{原価}{売価}\)を計算したほうが、分かりやすいと思います。
この場合、\(\frac{原価}{売価}=\frac{1000}{1500}≒0.67=67\%\)

と計算した後、100%から67%を引いて33%が売価値入率であると計算したほうが分かりやすいです。

感覚の問題ですが、次の例題を考えるときには、この考え方のほうが優れていると思います。

このやり方の場合、原価値入率の場合は、

\(\frac{売価}{原価}\)を計算しておきます。

そして、\(\frac{売価}{原価}=\frac{1500}{1000}≒1.5=150\%\)

なので、原価値入率=150%ー100%=50%と計算できます。

売価と売価値入率から原価を求める例

売価1500円、売価値入率60%の商品の原価を求めてみます。

公式通りにやると、原価をxとおいて、

\(\displaystyle 60=\frac{1500-x}{1500}×100\)

からxを求めることになります。

\(x=600\)となりますので、原価は600円です。

もちろん、このやり方でなにも問題はありませんが、一般には計算しずらいと思います。

100%から値入率を引いた割合(原価率)を考えます。

売価値入率が60%なので、原価率は100%-60%=40%です。

つまり、売価の40%が原価となりますから、原価=売価×原価率で計算できます。

原価=1500円×40%=600円と計算できます。

なので、もうさらに公式として

値入額+原価=売価 これを変形すると

\(\displaystyle \frac{値入額}{売価}+\frac{原価}{売価}=1\)

つまり、

売価値入率+(売価)原価率=100%

となります。

も使いもなせるようにします。

いろいろと式がでてきてごちゃごちゃしてくるかもしれませんが、
基本は、

売価=原価+値入額

という式だけです。これが本質です。

100%を売価と考える場合には、この基本の式を売価で割って、
100%=原価率+売価値入率
を得ることができます。

100%を原価にする場合は、基本の式を原価で割ることになり、

\(\displaystyle \frac{売価}{原価}=100\%+原価値入率\)

が得られます。

値入率がからんだ計算をする場合には、その補数とでもいうべき、

\(\displaystyle 原価率=\frac{原価}{売価}\)から考えると計算がしやすくなります。

値入率を計算する練習の方法

公式を覚えておけば、それだけで計算はできますが、慣れないうちは計算に時間がかかってしまいます。

難しい公式ではないので、暗算で計算式がさくっと引き出せるようにしたいものです。

なお、念のために書いておきますが、1=100%です。
つまり、1%=0.01です。
%に変換するためには、100倍するということですね。

計算機でパッパと計算できるように特訓するには、次の練習問題のやり方で計算練習するのがよいと思います。

どの項目がどの項目とどの項目から計算されるのか覚えておけば、穴埋めで計算できて、その作業で計算の方法を身につけることができます。

売上値入率を値入率として採用している場合

ワークシートとして、下記の表を使います。
この表を使って計算すると方程式を使わなくても計算できます。

原価 値入額 売価
原価率 売上値入率 1(100%)

上記の表の2項目がわかれば、他の3項目が計算できます(よく考えれば明らかですが、例外として原価率と売上値入率の2項目からは原価、値入額、売価を計算することができません)。

例えば、原価=800円、値入額=200円とするとこの表は、

800円
(原価)
200円
(値入額)
売価?
原価率? 売上値入率? 1

となりますから、「売価?」のように「?」のついている項目は計算できるはずです。

実際に計算すると次の表(赤字が計算した部分)ができあがります。

800円
(原価)
200円
(値入額)
1000円
(売価)
0.8(80%)
(原価率)
0.2(20%)
(売上値入率)
1

以上が例題の説明になります。

以下に練習問題を掲載しますので、暗算で表中の「?」部分が計算できるように練習すると、計算に慣れてきます。

計算するためのヒントとして、「?」記号の横に「(1)」「(2)」「(3)」の番号をいれておきました。
この数字が示す順番の場所から求めていくと簡単に計算できます(同じ番号のところはどちらを先に計算してもかまいません)。

%記号を使うと、100倍したり、100で割る計算が生じますが、この計算は簡単ですし、式が複雑になるので%は使わない表としています。

練習問題1(原価と値入額から求める)

800円
(原価)
200円
(値入額)
売価?(1)
原価率?(2) 売上値入率?(2) 1

練習問題2(原価と売価から求める)

800円
(原価)
値入額?(1) 1000円
(売価)
原価率?(2) 売上値入率?(2) 1

練習問題3(原価と原価率から求める)

800円
(原価)
値入額?(3) 売価?(2)
80%
(原価率)
売上値入率?(1) 1

練習問題4(原価と売上値入率から求める)

800円
(原価)
値入額?(3) 売価?(2)
原価率?(1) 20%
(売上値入率)
1

練習問題5(値入額と売価から求める)

原価?(1) 200円
(値入額)
1000円
(売価)
原価率?(2) 売上値入率?(2) 1

練習問題6(値入額と原価率から求める)

原価?(3) 200円
(値入額)
売価?(2)
80%
(原価率)
売上値入率?(1) 1

練習問題7(値入額と売上値入率から求める)

原価?(3) 200円
(値入額)
売価?(2)
原価率?(1) 20%
(売上値入率)
1

練習問題8(売価と原価率から求める)

原価?(2) 根入額?(2) 1000円
(売価)
80%
(原価率)
売上値入率?(1) 1

練習問題9(売価と売上値入率から求める)

原価?(2) 値入額?(2) 1000円
(売価)
原価率?(1) 20%
(売上値入率)
1

練習問題の解答

上記練習問題の解答は、全て下記の表となります。

800円
(原価)
200円
(値入額)
1000円
(売価)
0.8(80%)
(原価率)
0.2(20%)
(売上値入率)
1

原価値入率を値入率として採用している場合

原価値入率の表は、あまり使われることはないと思いますが、計算するための表を下記に示します。

原価 値入額 売価
1(100%) 原価値入率 売価率

例えば、原価=800円、値入額=200円とすると、下記のように赤字部分が計算できて、

800円 200円 1000円
1(100%) 0.25(25%) 1.25(125%)

と表が完成されます。

売価値入率の場合の練習問題と混乱するので、原価値入率の練習問題はあえて割愛いたします。

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