3種類の流通フロー
生産と消費の間になんらかの移動があると流通フローがあるという。
移動するものは、「所有権」「財」「情報」の3種で、それぞれの移動によって生じる流通フローを「商流」「物流」「情報流」と呼ぶ。
商流
所有権が移動するときの流通フローの事。それぞれ所有権移転機能に加えて危険負担機能の働きもある。
(1)所有権移転機能
売買契約によって、所有権が移動する。売り手から買い手に所有権が移動する仕入の主な形態は次の3種類ある。
- 買取仕入
所有権が小売業に移転している。返品できない。 - 委託仕入
消費者が商品を購入した時点で、所有権が消費者に移転する。小売業は所有権を得ることなく流通する。返品可能。 - 消化仕入(売上仕入)
消費者が商品を購入した時点で、所有権が小売業に移転し、さっらに消費者に移転する。返品可能。
所有権の移動に伴う代金の支払いには、現金と流通金融を介する場合がある。現金支払の場合は、商品が買い手に引き渡されたと同時に支払いも行われる。引き渡しと、支払いの間に金融機関が介入することで支払いまでのタイムラグを作ることができる。そのために使用される金融機関を流通金融と呼ぶ。BtoBとBtoCno2種類に分類できる。
- 企業間流通金融(BtoB)
企業と企業の間の流通金融
手形、掛売り、リース(設備投資時によく使われる) - 企業と消費者間の流通金融(BtoC)
企業と消費者との間の流通金融
(a)支払いを猶予する販売信用、(b)クレジット会社が行う販売信用(分割払い)と消費者金融(キャッシングサービス)
(2)危険負担機能
商品の引き渡しと支払いのタイムラグにより危険負担(支払いされない可能性)が生じる。商品の引き渡しを行っても、所有権は売りてのままであり、返品可能である。つまり所有権を移動せずに、商品を移動する事ができる。
物流
財が移動すること。輸送機能と保管機能が必要。主体として荷主企業と、物流専門企業がある。荷主企業は、生産者、卸売業、小売業
(1)物流の種類は4つ
- 調達物流
生産者にとっては、製品製造に必要な原材料、部品を購入するときの物流、
卸売業者や小売業者にとっては、仕入れ時の物流。 - 生産物流
メーカの場合、自社向上から自社倉庫へ商品が移動するときの物流。小売業者の場合、各店舗への商品移動時の物流。 - 販売物流
メーカから卸売業や小売業に製品を共有すること。卸売業から他の卸売業や小売業に商品を供給すること、小売業
から消費者へ商品を届けること。 - 回収物流
返品で供給したところに製品や商品が流れること。リユースやリサイクルも含まれる。
製品:製造(加工)されたもの(売ることができるので商品ともいえる)
商品:売るためのもの全部。物でなくてもよい。
(2)物流活動の構成要素5つ
- 輸送・配送
財の移動。輸送は大口で長距離、配送は小口で短距離。
トラック業、鉄道業、海運業、航空業などがある。 - 保管
財の保存。倉庫で保管するた、倉庫には、貯蔵倉庫(大量・長期間)と流通倉庫(一時的で、物流センター、流通センター、商品センター、デポなどを含む)に大別される。 - 荷役
荷をトラックなどから積み降ろしたり、倉庫に出し入れする作業。ユニットロードシステム(コンテナリゼーション、パレチゼーション)によって機械化へ促進できる。 - 包装
価値や状態を保護する。 - 流通加工
生鮮食品のカット、スライス、パック詰め作業。
情報流
情報の移動。生産者、消費者との間で知らないことを橋渡しする。メーカ、卸売業、小売業との間の情報を流通情報と呼ぶ。
- 取引情報
所有権移転(商流)に関する情報で、交渉情報、受発注情報、所有権移転情報、代金決済情報の4つ。 - 物流情報
輸送情報、入出庫情報 - 市場情報
需要情報、競争に関する情報 - 販売促進(プロモースヨン)情報
広告、カタログ、試供品配布、実演販売
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小売業の流通機能と活動
(1)消費者に対する機能遂行
- 所有権移転機能(商流機能)
商品の品揃え、仕入先選別、発注、仕入代金支払、販売価格決定、小口分売、販売代金受取など - 物的流通機能(物流機能)
荷受、保管・店舗内移動、値札付け、ディスプレイ、包装、流通加工、配送など - 情報伝達機能(情報流機能)
対消費者コミュニケーション、対仕入先コミュニケーション、対地域社会コミュニケーションなど
(2)企業維持・管理機能
小売業が経営管理を行い、継続維持(ゴーイング・コンサーン)していくこと。これは、小売業の社会的役割でもある。マーチャンダイジング。
Wikipediaより
マーチャンダイジング (merchandising) とは、一般的には、消費者の欲求・要求に適う商品を、適切な数量、適切な価格、適切なタイミング等で提供するための企業活動のこと。