大企業が倒産することは滅多にありえませんが、中小企業では毎月のように倒産が発生しています。

2019年の倒産の原因は中小企業庁の調査によると、下記の通り。

原因別倒産状況2019年

販売不振が圧倒的に第一位となっています。

この傾向は毎年同じです。

「既往のしわよせ」とは、このまま放置してると潰れるとその傾向がわかっていながら倒産してしまったというものです。

実に、倒産した企業の8割以上は、「販売不振」と「既往のしわよせ」が原因で倒産しています。

なぜ、販売不振になってしまうのか

倒産しようと思って倒産するわけじゃありませんから、販売不振になろうと思って販売不振になってるわけではありません。
にもかかわらず、なぜ販売不振になってしまうのでしょうか。

販売不振とは、販売していた商品が売れなかったということです。
商品が売れる・売れないの違いを見誤ったとも言えます。

100台売れると思っていたのに、50台しか売れなかった。
1万個売れると思っていたのに千個しか売れなかった。

これが販売不振の原因です。

売れる数を見誤ったわけです。

商品が売れない原因はいくつもありますが、その中でももっとも注意しなければならなにのは、ズバリ売る相手(ターゲット)を明確にしているかという点です。

当然のことながら、売る相手が存在しなければ、どんなによい商品であっても、一個も売れるはずありませんし、相手によって、売り方も変わってきます。
そして、お客さんから自分が選ばれなければなりません。
自分が選ばれれるためには、他社との違いが必要になってきます。

これがマーケティングです。

売れる商品、売る相手、相手から選ばれる、これらが一つになって販売という行為が成立するわけで、この中のどれか一つでも欠けていれば販売不振に陥ってしまいますが、この中で、抜けがちなのが、売る相手のことです。

売れない原因、売れる対策を考えるにあたって、商品に起因するもの、相手に起因すすもの、販売者に起因するものに分類して分析すると、戦略がみえてくるのですが、売る相手(ターゲット)が漠然としていると、戦術がぼんやりして、結局は販売不振といった結末を引き起こしてしまうことになるのです。

具体的な分析項目例

売れない(販売不振)となる原因を商品、相手、販売者(選択)に分類した例を示します。

例えば、「タピオカジュースが売れない」について考えたとき、考えている視点によって、商品が悪いのか、ターゲットが減ったのか、販売方法が悪いのか、どれも該当していて分析できないという事態に陥る場合がありますが、どこに重点をおいて考えるのかがポイントです。これこそが戦略と呼ばれるものです。

戦略が悪いというのは、手当り次第あれもこれも中途半端の戦術で勝負をしかけ、結局どの方策も失敗してしまうことを言います。

商品に起因する原因例

販売している商品がない。

フィルムレスのデジカメ技術が発達したために、フィルムが必要なくなった。

相手に起因する原因例

業界全体のシェアが縮小してきた。例えば、スマートフォンで写真撮影が手軽にできるようになったため、コンパクトデジカメの需要が減った。

ブームが去った。

販売者に起因する原因例

競合他社、ライバルが出現し自商品が選ばれなくなった。

他社で購入すると安く購入できる(送料別の自社が選ばれない)。

異物混入などの風評被害によって、自商品が選択されなくなった。

倒産の最新情報

倒産の状況は、中小企業庁のホームページで公表されています。

https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/tousan/

毎月15日頃の更新されています。

エクセルでデータ入手も可能です。