コンビニエンスストア(CVS)の販売政策

コンビニエンスストアは、便利正を追求しているのが最大の特徴ですが、それ以外にも、売り場面積を30坪以下にする、売れ筋商品を3000アイテムに限定していると、独特の販売政策を持っています。

便利さに価値があることをいち早く注目し、実際それが価値を生んでいることが証明しているのが、コンビニエンスストアです。

買い物客に対して、購入商品の選択肢を減らしてあげるというのも便利さの一つです。

それを裏付ける心理学の実験があります。

 

選択肢を減らす便利さ

有名なジャムテストというのがあります。

心理学者シーナ・アイエンガーが、選択肢の数がお客様にどのような影響を与えるかを調べるために行ったテストです。

心理学者シーナ・アイエンガー教授の書いた選択の科学。

 


選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (文春文庫)

 

 

シーナ教授の「ジャムの法則」

シーナ教授が、ドレーガーズという高級スーパーマーケットで1995年に行った実験です。

もともとは、豊富な種類の商品(選択肢)を提供することが売上増加につながることを実証しようとした実験でしがが、結果は逆であったという意外な結末を迎えます。

どのような実験であったのでしょうか。

まず、シーナは24種類のジャムを用意して、道行く買い物客へ試食を呼びかけます。

すると、買い物客の60%が足を止めて試食コーナーへやってきました。

買い物客は、たくさんのジャムのビンを手にとって、眺めたり、連れと相談したりしました。

いろいろ迷ったあげく、結果的に試食した買い物客の3%がジャムを購入しました。

60%×3%=1.8%

次に、シーナは、ジャムの種類を6種類に減らしました。

その結果、ジャムの試食コーナーでに立ち寄ってくれた買い物客は40%でしたが、30%の人がジャムを買ってくれました。

40%×30%=12%

この実験から、必ずしも商品の種類を豊富に用意することが売上に繋がらないということがわかります。

品数が多ければそれだけ購入に迷ってしまうお客さんが増えてしまい、購入の機会を逃してしまうことがあるわけです。

場合によっては、思い切って売れる商品を厳選したほうが、結果的に売上が伸びることもあります。

買い物客の替わりに選択してあげる、これも価値がある行為であるわけです。

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