ベーシックストックリスト
最寄品の特性に適合した仕入や再発注のための管理手法。
ベーシックストックリストで使用する項目
- 品番・品名
- 価格(仕入価格と販売価格)
- 週当たり販売(計画数量と予算額)
- リードタイム(発注期間と納品期間)
- 最大在庫(数量と金額)
- 最小在庫(数量と金額)
- 発注(数量と金額)
- 発注点在庫量
- 発注先TELやFAXや備考
ベーシック・ストック・リストの品番・品名は、前年度に決定しておく。
期間の単位は「週」で行う。
ベーシックストックリストの特徴
- ベーシックストックリストは1年単位で策定する。
- リードタイムを含めて継続的に商品の流れを追っている。
- 品切れを起こさない再発注数量や再発注の時期を把握しやすい。
- 安定的に売れている場合は、この再発注業務をルーティン化することで効率的な運用ができる。
再発注量を決める
再発注量を決めるために必要なこと
- 週当たりの販売計画数量:S
毎週の販売量を調べおよそ何個売れているのかを示す。 - 再発注期間:RP
経済的発注量/販売計画数量
=EOQ/S - 納品期間:DP
- 最大手持ち数量:MAX
週当たり販売計画数量×(再発注期間+納品期間)+安全在庫
=S×(RP+DP)+R - 最小手銛数量:MIN
週当たり販売計画数量×(納品期間)+安全在庫
=S×DP+R - 経済的発注量:EOQ
発注コストと在庫コストの合計費用が最小になる発注量のこと
仕入の費用を最小にとどめるために、合計費用を算出する。
発注コストと在庫コストのはトレードオフの関係にある。
つまり、発注コストを抑えると在庫コストが増える、在庫コストを抑えると発注コストが増える。 - 安全在庫(品切れ防止予備在庫):R
2.326√(S×(RP+DP))
再発注期間=経済的発注量/販売計画数量
=EOQ/S
で再発注期間を決める。
例題
例題1 (再発注期間)
経済的発注量が150個、週当たりの販売計画数量が50個の場合、
再発注期間=150/50=3
つまり、3週間に1度発注をするのが一番効率的となります。
発注してすぐに納品される場合には、商品がなくなり次第発注をすればよいのですが、実際には発注してもすぐに納品されません。
したがって、実際には商品がなくなるちょっと前に発注しておき、在庫がゼロになる前に納品されておく必要があります。
例題2 (安全在庫を考えない最小手持ち数量)
経済的発注量が150個であったとします。
毎週50個商品が売れていくとします。
この例ですと、3週間経過すれば在庫がゼロになってしまいますから、3週間語には商品が入荷されるようにしなければなりません。
発注してから納品されるまでには時間がかかります。
これが1週間であったとしますと、在庫がゼロになる1週間前には発注が必要です。
在庫1週間前の在庫数は、50個ですから、最小手持ち在庫量は50個だと考えます。
最小手持ち在庫量をみれば発注する時期なのかどうかを判断することができます。
例題3 (安全在庫)
売上が予想を上回った場合を考えてみます。
この場合、在庫ゼロが予定より早くきてしまいます。
品切れが発生した期間は商品を売ることができません。
最小手持ち在庫量に多少の余裕をもたせておく必要があります。
この余裕を確率的に計算したのが、安全在庫を求める計算式になります。
週当たりの販売計画数量(S)=50
再発注期間(RP)=3
納品期間(DP)=1とすると、
安全在庫=2.326×√(50×(3+1))
=32.889
この計算により、安全在庫=33と見積もります。
例題4 (最小手持ち数量)
例題3の前提で最小手持ち数量がいくつになるのかというと、
最小手持ち数量=週当たり販売計画数量×納品期間+安全在庫=50×1+33=83
83個となる。
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