近年の卸売業の構造変化
卸売業の構造の変化として、
- 事業所数の減少
- 年間商品販売額の減少
- 流通経路短縮化の傾向
があげられる。これらを引き起こしている原因を3つが挙げる。
取引制度の見直し
①建値制度の廃止とオープンプライス制の導入
小売価格の低下が進み、メーカーは、建値制とリベートの組合せで卸売業をコントロールできなくなってきたため、オープンプライス制を導入することになった。
卸売業からみると、オープンプライス制は、メーカーからのマージンの保証がなくなったた。
卸売業はコスト削減に本腰をいれることになった。
②特約店制度の形骸化
特約店制度は、小売業にとっては意義がなくなってきた。特約店でなくても、商品を安く仕入れることができれば、特約店でなくてもよい。そのためどの特約店制度は形骸化し、卸売業の構造を変化させている。
メーカと小売業の直接取引
大手小売業が出現した。大手小売業は卸売業を介さずメーカーと直接取引する動きを急激に高めてきた。この大手小売業の直接取引の動きが卸売業を不要にし、卸売業の事業所数や年間商品販売額の減少を引き起こしている。
近年日本に進出している、グローバル・リテーラーのビジネスモデルもメーカーとの直接取引である。メーカーとの直接取引が増えると、卸売業の事業所数や年間商品販売額の減少を引き起こしている。
流通情報システム化の進展
新しい流通情報システム
- クイックリスポンス(QR)
- ディマンドチェーン・マネージメント
- サプライチェーン・マネージメント
が展開されているが、これらのシステムにはIT関連投資と、物流システムの構築が不可欠である。卸売業は、メーカーや大手小売業からこれらに対応できる機能を求められるが、これは卸売業の財務強化を求めることになり、卸売業の構造を変化させる。
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