問屋無用論と問屋有用論

問屋に対して二つの見解がある。問屋無用論(問屋不要論)と、問屋有用論である。

問屋無用論

問屋無用論は、1962年の東京大学の林周ニを中心に唱えられた「流通革命」の一つ。大量生産・大量販売の体制になると小規模卸売業や小規模小売業は消滅するという説。

  • 大量生産・大量販売の体制では、太くて短いパイプの流通になる。
  • 太くて短いパイプができれば、生産者と小売業が直接取引したほうが効率がよい。

たしかに、大量生産・大量販売の体制に移行し卸売業の規模の減少に転じているが、問屋(卸売業)がなくなったわけではない。

問屋有用論

時代に対応できる卸売業が発展し、メーカーにとっても流通チャネルを支配するのにそれが有用となる。現実に、流通機能を効率化している卸売業が存在しているので問屋(卸売業)は有用という説。

問屋は無用か有用か

実際に、小売業が減少したのは1980年代移行、卸売業の減少もバブル経済崩壊後(1990年代)以降であるので、それまでは問屋有用であったし、減少に転じても問屋がなくなったわけではない。つまり、有用な問屋もあれば無用な問屋もあって、有用な問屋は存続し続ける。

流通の役割を考えると、よっぽどの流通システムが発展しないかぎり、問屋の存在は不可欠であるはずである。それが流通の存続の意義でもある。

流通の形態も変化しており、それぞれの時代に対応した問屋は流通があるかぎり有用である。時代にとりここされた問屋は無用となり競争原理から消滅していく。

現在でも問屋が残っているからといって、林周二氏の50年前の「流通革命」が間違っているとは思えない。消滅すべき問屋は消滅し、新しい流通革命によって新しい問屋に生まれ変わった問屋が存続しているものと考える。