価格政策

 

商品の価格を設定したり、変更したりするときに規範とすべき方針を価格政策という。

ポーター教授の3つの戦略の内の「コストのリーダシップ」を実現するための政策ともいえる。

 

ハイ・ロー・プライシング政策(High-Low-Pricing)

 

小売店の通常の価格から、特売と称してより安い価格で提供したり、特売を中止し再び価格を高くしたりする政策のことをハイロープライシング政策という。

特売日には価格は安くなるが、特売期間が終わると元の価格にもどるので、価格が高くなったり低くなったりする。

特売の告知は、チラシ広告が主であるが、店頭に対象品目を大量に陳列し、目立つように広告される場合もある。

 

ロスリーダとバーゲンハンター

 

仕入れ価格を下回る価格で販売される商品をロスリーダーという。

集客を目的にロスリーダーが作られる。

小売業からみると、ロスリーダーは売れれば売れるほど損失が大きくなる。

バーゲンハンターは、ロスリーダーのみを買いに来る顧客のことで、チェリーピッカーとも呼ばれる。

チェリーピッカーとは、チェリー(さくらんぼ)をピッカー(摘む)人のことで、美味しいさくらんぼだけを摘んで持って帰る人たちのこと。

チェリーピッカーは、特売品しか買わないので、集客目的で行った価格政策が機能しなくなる。

バーゲンハンター(チェリーピッカー)が多いと、来店客が増えても利益はあがらない。

かえって、店頭オペレーションが増えたり、店が混雑するなど、本来獲得したい顧客を取り逃がしてしまう政策になってしまう結果を引き起こす可能性もある。

 

 

試食品を貪りあさり食べる人たちもバーゲンハンターの一種と考えられる。

 

 

EDLP(Everyday Low Price)とEDLC(Everyday Low Cost)

 

特売のような一定期間、一定の商品のみを低価格で販売するのでなく、常に徹底した低価格であらゆる商品を提供する売価設定のことをEDLPという。

 

EDLPは、恒常的低価格政策ともいわれる。

毎日が低価格販売であり、対象品目も、一部でなく全品目であるてんかハイロープライシング政策と異なる。

EDLPを実現するためには、あらゆる分野でもコスト削減が行われ、チラシ広告も行わないのが原則。

また、仕入価格の低減、在庫の圧縮、ローコストオペレーションなどを貫徹する。

 

このようなコスト削減政策をEDLC(Everyday Low Cost)と呼び、EDLCなくしてEDLPを実現することはできない。

逆にいうと、EDLPは、EDLCが実現できる前提のもとで実現可能な政策ともいえる。そうでなければ、利潤が確保できない。

EDLPはポーター教授のいう「コストのリーダーシップ」に近い政策である。

コストのリーダーシップは、業界内においてコスト面で圧倒的に優位に立つという政策であるが、EDLCを前提としたEDLPが実現できれば、あらゆる業者からの攻撃をかわす防御体制ができていると言えるからである。

 

EDLCの政策には、

  • 仕入原価の低減
  • 販売管理費の削減
  • 店舗設備運用費の削減

に分別できる。これらの低減や削減があってEDLCが実現される。

 

グローバルソーシング

世界各国のサプライヤーの商品の中から、インターネットを活用してベスト・プラクティスな商品を仕入れること。

 

 

 

商品政策

 

価格設定や変更を内包しつつ、品ぞろえの幅や奥行きについて計画し、適切な仕入を行うための方針を商品政策という。

ポーター教授の3つの戦略の内の「差別化」「集中」を実現するための政策ともいえる。

 

特徴ある品ぞろえ

商品構成を差別化する。

差別化戦略を商品政策に具現化する事は、特徴のある品ぞろえといえる。

売り場面積に狭い小規模な店舗の場合、幅を狭くし奥行きを深くし専門化をすすめる。

こうした専門化が商品政策の「集中」を実現する。

 

付加価値商品

 

品質、機能、デザインなどにおいて、競争する他店の取扱商品にはない価値を持った商品を付加価値商品という。

他店で取り扱っていないため、他店との品ぞろえと優位にたてる。

付加価値商品の売価は高く設定することができ、高マージンを得ることができる。

一部の商品だけでなく、全商品にたいして付加価値商品を取り揃えると他店との差別化がいっそう進む。

この代表例は、アパレル業界のSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)である。

SPAは自らが商品の規格、縫製メーカへの発注を行い、製造された商品を直営店で販売する。

全商品が付加価値商品となり、価格競争を回避することができる。

 

付加価値商品と価格の関係

付加価値商品=高額商品とはならない。

低価格であっても、売価以上の価値(機能や品質)が付加されていれば、付加価値商品である。

PB商品(プライベートブランド商品)やSB商品(ストアブランド商品)がこれにあたる。

 

高級ブランドのイメージがある商品も付加価値商品といえる。高級ブランドの付加価値商品は価格が高くても顧客が満足する。