マーチャンダイジング(merchandising)
マーチャンダイジングとは、一般に「商品化政策」と訳されている。
売れるための商品作りや、品揃えを行う。
アメリカ・マーケティング協会(AMA)では、「企業のマーケッティング目標を実現するのに最も適する場所・時期・価格・数量で特定の商品やサービスを市場に提供する計画と管理」と定義付けされている。
マーチャンダイジング(MD)の5つの適正とは、
- 場所
- 時期
- 価格
- 数量
- 商品やサービス
のことで、これらが適正かどうかを管理するのがマーチャンダイジングと呼ばれる活動である。
なお、マーチャンダイジングで、適正かどうかは小売業の立場と顧客の立場の両視点から捉えすべきである。
マーチャンダイジングの領域
マーチャンダイジングの領域は、「商品調達を含めた仕入計画から販売計画まで」と広義の範囲に解釈できる。
営業政策と商品計画の関係
小売業の営業活動を3つに分ける。
- 売り場、外商、カタログ、電話、インターネットなどの販売活動
- 販売する商品の保有・管理活動
- 上記活動を的確に運用するために必要とされる仕入および発注活動
営業政策とは、上記活動の基本的な方向を決めるものである。
これは、1年~数年間を単位に策定される。
商品計画とは、営業政策にもとづいて策定される。
これは、1年、数ヶ月、1ヶ月、週単位で策定される。
マーチャンダイジングサイクル
マーチャンダイジングサイクル
- 商品計画→2
- 価格設定・棚割り→3
- 仕入計画→4、9
- 仕入(補充・発注)→5、9
- 仕入(荷受・検品)→6
- ディスプレイ・販売→7
- 価格変更→8
- 商品管理(在庫管理・販売管理)→4
- 物流→仕入(補充・発注)→4、9
商品計画では、顧客がどのようなニーズを持っていてどんな商品構成にするのか計画する。
商品カテゴリー別に1ヶ月、1週ごとに立案する。
価格設定・棚割りでは、商品の売価を定める。棚割りでは、棚(ゴンドラ)に商品が効率よく販売できるように、単品の配置と数量を決定する。
仕入計画では、商品計画で構成されている商品をどのサプライヤーからどのように仕入れるかを計画する。
補充・発注では、店頭にディスプレイした商品が売れて不足したとき、その商品の補充のために発注する。
荷受・検品では、発注した商品がサプライヤーから納品されたときに立ち会って行う。検収とも呼ぶ。
ディスプレイ・販売では、検品(検収)した商品を速やかに売り場に配置する。商品が手に取りやすいように、ディスプレイすることが販売効率を高める。
価格変更では、売れ行きの悪い商品など、値下げや値引きを行う。
販売方法や、販売場所を変える場合もある。
商品管理(在庫管理・販売管理)では、在庫量、よく売れる商品、あまり売れない商品を管理する。
あまり売れない商品はその理由も検討し商品計画に反映する。
物流は、小売業が効率的な経営を行うために行うための付帯活動である。効率的な経営を行うためには重要な活動である。
経営管理としてのマーチャンダイジング
経営管理はPDCAサイクルで行う。
P:計画(プランPlan)
D:実行(ドゥDo)
C:検証・評価(チェックCheck(See))
A:改善(アクトAct)
このサイクルでマーチャンダイジングも回します。
マーチャンダイジングのサイクルで当てはめると、
P:商品計画・仕入計画
D:発注・荷受・ディスプレイ・販売
C:在庫管理・販売管理
が対応する。
まとめ
マーチャンダイジング(MD)は、商品販売のプロセスの中で「5つの適正」について適正かどうかを管理し、PDCAプロセスを通じて改善していく活動のことである。
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